私はこれまで、かつての「残党」方々と多くの現場を一緒させて頂いた。その方々は、著者が指摘する通り、ことの真相に関しては箝口令が敷かれているかの如く寡黙ではあるが、数少ない断片情報の幾つかが、著者の取材結果とは異なっている(※もちろん、私が見知った情報が間違いである可能性はある)。
最終章に近く、著者はその原因とも云える「こと」を口にするがしかし、それがこの本のクライマックスなのか? 著者の推測から脱することの出ない「それ」は、そんなに勿体ぶって最終章近くに語られる話では無いだろう。
さらに複数の遺書が存在することは示しているが、その内容に関しては一切開示されていない。明らかに、その遺書には何らかの真相がある筈だし(※それが、直接的な原因とは言わないが)、それが38年を経た今を以ても明らかにされない以上、それまでの経緯は全て推測に過ぎないとも言える。
著者の、主人公に対する「想い」のみが先行している書だと思う。