最初の章で、成功のパイを最大化する四つの条件を、「情熱」「スキル」「マインド」「運」と示している。最後の章で、これらの四要素に重要度の面から順番をつけている。
「私の考えでは『運』がダントツの一位。次に『情熱』、三位が『マインド』で、最後に『スキル』という順番です」。
誠に僭越ながら私見を披露させていただくならば、第1章の「情熱について」は、「7つの習慣」のようで入り込むことができず読むのをやめてしまおうかと思った。
第2章の「仕事力について」も総じて興味をひく内容はなかったが、例えば、「重要度×緊急度」マトリックスの説明で、仕事が全部で一〇あるとすると、だいたい四くらいは「急ぎもしないし重要度も低い」に当てはまり、ざっくり言って二は「今日中にやらなくてもかまわない仕事」、「重要度が高く、緊急度も高い」というカテゴリーに当てはまる仕事は、実は全体の四割くらいしかないと書かれている。これを読むと、実は「緊急度が高く、重要度が低い」仕事はないことになる。このマトリックスでは、以前「重要度が高く、緊急度が低い」仕事を、「緊急度が高く、重要度が低い」仕事に優先せよと教えられたが、そんなことで悩む局面は実際にはさほどないということがよくわかる。
四二歳で経営職に就いて以降はゴルフをいっさいやめたことや、「夜の予定が何もなければ二〇時までには仕事を終え、週二〜三回はジムに通って一時間半ほど汗を流していた」ことが書かれている。こういった著者自身の経験の披露から学ぶことは多い。
可処分時間をどう使うかについて再三述べられているが、「一日の一時間なり二時間なりという時間と、毎月の収入の五パーセントなり一〇パーセントなりというお金を自分自身の充電のために充てる。」はじめて聞く話ではないが、改めて心に刻んでおきたいと思う。
第4章の「人について」では、「三人のメンターがあなたの人生を変える」という。最終章でも「運をつかむ」ために、やはり「メンターを三人持つ」と書かれている。自分にとってのメンターが誰なのかじっくり探す必要がある。
二〇年に及ぶ自分自身の社長職経験を振り返って、つくづく思うこととして、「ある程度大きな意思決定をするときに、『限りなく十分に情報が集まったうえで意思決定をした』などという記憶はタダの一度もない」という。そこで、見識(知識+自分の考え方)+決断力+断行力=胆識が大事だという。
現役の社長職時代、何か迷ったことがあると「多長根、多長根・・・」と呪文のように唱えて考えを整理するようにしていたという。多面的、長期的、根本的という意味である。