ビック3の救済がどうなるか、毎日紙面を賑わせているので、アメリカ産業界の理解を深められるかと、あまり期待せずに入手してみたが、”意外”によかったので紹介します。著者は、アメリカの大企業の再建を中心に活躍している経営者。表紙のイメージから、豪腕経営者のように見えましたが、奥さんとのパートナーシップや、この業界にあってはおそろしく人がいい(たぶん)正直な経営姿勢、失敗も包み隠さず教訓として赤裸々に語る態度など、誠実な人柄がにじみ出ていて、いたく感動しました。某企業の労働争議と戦っている裏舞台で、奥さんが亡くなっていく場面は、思わず涙。
もちろんそれだけでなく、企業再建のポイントや成功する交渉の条件など、経営書としても含蓄が深い内容で、とくにクライスラー時代のアイアコッカ(著者はその片腕として辣腕を振るっていた)の丁々発止の裏舞台などもリアルな迫力があり、一気に読んでしまいました。
ビジネスのノウハウ本に物足りなさを感じている方は、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。心も潤います。