前著、『伝説のプロ野球選手に会いに行く』の続編だが、このなかで「悪太郎」こと堀内恒夫氏の話は氏らしいなあと思いながら、子供の頃に右の人差し指を欠損していたことが投球に有利に働いていたことを知って驚いた。しかしながら、氏は人知れずコンプレックスに悩まれたことだろう。「悪太郎」と呼ばれたのも、その反発が悪態となったことをマスコミが面白おかしく書きたてた結果なのでは。
本書は「伝説」のプロ野球選手に会いに行くというタイトルだが、巻末にはインタビューできなかった青田昇氏の思い出話が綴られている。その思い出話を読みながら、直接に話が聞けなかった著者の無念さが垣間見える。タイトルからは外れるが、これはこれで青田氏の人柄が窺えて面白かった。
また、張本氏がインタビュー終了後、喫茶店でのコーヒー代を「ご馳走になっていいのかな?」と確認するところに氏の律義さが見える。
「伝説」のプロ野球人、それぞれに個性と生き方があって、簡単には語りつくせない。意外に、解説者生活が長い「伝説」の佐々木信也さん推奨のプロ野球人をまとめても面白い一冊が誕生するかもしれない。