鹿間時夫氏や土橋慶三氏が指摘するように、伝統こけしが直感で判断するものなら、初心者が伝統こけしに関して最初に読む書籍として好例でしょう。一方、近頃のこけしはちょっと・・・・などとこけし蒐集が停滞しているベテランの方にもお奨めしたい一冊。なぜなら、平成以降のそこそこの作品も掲載されており、こけし界の大まかな流れを捉えることができそうです。ただ、そのこけしを入手し掲載したいきさつや工人に対する視点、更には作品に対する思い等が全く触れられていないという点で個人的にはやや物足りません。著者の狙いが、敢えてそれを外し、読者にそれを全て委ねたというのなら私の思い違いでした。