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137 人中、119人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0
翻訳の問題,
By カスタマー
レビュー対象商品: 伝奇集 (岩波文庫) (文庫)
「バベルの図書館」の冒頭、「24つの文字(letter)」の組み合わせとなる所、「24枚の手紙の組み合わせ」となっています。これでは意味がわかりません。もう少しいい翻訳でないとボルヘスがもったいない。
6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
読者を迷宮に誘い込む魅惑的短編集,
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レビュー対象商品: 伝奇集 (岩波文庫) (文庫)
架空の書物・人物・事物の評伝という形式で作者自身の思惟を奔放に綴って読者を迷宮に誘い込む短編集「八岐の園」、練達した小説技巧でカミュ「追放と王国」を彷彿とさせる短編集「工匠集」の二部構成から成る作品。「八岐の園」では、読み手が持つ宇宙観、哲学体系、時間の概念などを揺るがす。例えば、時間についてはその均一な連続性を否定する以下の様な言辞もある。 「未来は現在の願望としてしか現実性を持たず、 過去も現在の記憶としてしか現実性を持たない」 記憶、時間、循環性は繰り返し語られるモチーフである。本についての以下の言辞も面白い。倉橋由美子氏「スミヤキストQの冒険」を想起させる。 「世界には唯一の(基底)本しか存在せず、全ての現存する本は その無限分岐の結果である」 叙述形式は古代伝承的でもあり抽象論理的でもありカフカ的でもあり幾何学的でもある。これらが渾然一体となって読む者を包む。輪廻など東洋思想にも触れている。 「工匠集」では、南米特有の狂騒的リズム感とシニカルな視線が混淆した世界が展開される。作者がポーやチェスタトンを読み込んでいるのは驚きで、小編の多くにミステリ的構成や計算が施されている。読み応え充分であり、読者を迷宮に誘い込む魅惑的短編集だと思う。
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
膨大な書物の館の、短い物語。,
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レビュー対象商品: 伝奇集 (岩波文庫) (文庫)
'@神秘主義者たちの描く宇宙のかたち。'A危機に直面する人々の脳裏にひらめく人生訓。 ボルヘスの文章には、'@と'Aが端から端まで敷き詰められています。これらが軽く流せる人でないと、この人の文章の本意を汲むことは難しいでしょう。 「作家のための作家」と呼ばれた所以です。 彼の書く、感傷にひたる暇もない簡潔な文体はチェスタトン的で、読むのに少々骨が折れます。彼の描く世界は広大無辺でありながら、自壊する運命をも内包しており、実に複雑なのですが、ボルヘスは物語の骨子を「膨大な知識の独り語り」によって表現し、様々な世界をほんの10-20頁で語り終えてしまいます。短編一篇一篇が、伝奇SF一冊に相当する密度の濃さです。 ―――――――――――――――――――――――― 想像から人間を創り出し、消滅するまでの過程を描く「円環の廃墟」 イスカリオテのユダの行為についての論考群「ユダについての三つの解釈」 ほとんど要約のようで在るために、形而上の部分に比重が傾く推理小説「死とコンパス」 ひとつの言葉に対する仮定から広がる解釈が、現実世界と相反し合うまでを描く「トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス」 アカシックレコードのような「無限に続く図書館」の言語の混乱を描く「バベルの図書館」 などを含む、全十七篇。 ―――――――――――――――――――――――― 下に示したボルヘスの宣言文から、彼の小説作法が簡単に理解できると思います。いきなり核心に迫る外国語の新語句が現れるところや、全体を'まないと意味が分からないところ、そして、全体が'めた瞬間になるほどと思えるところが。 「二つの美学が存在する。鏡の受動的な美学と、プリズムの能動的な美学。前者に導かれて芸術は、環境もしくは個人の精神史の客観的な模写となる。後者に導かれて芸術は、自らを救い、世界をその道具とし、空間と時間という牢獄から遠く隔たったところで、独自のヴィジョンを創出する。これが<ウルトラ>の美学である。その意思は創造にある。宇宙に思いもよらぬ切子面を刻むことにある」
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