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会議の政治学 (慈学選書)
 
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会議の政治学 (慈学選書) [単行本]

森田 朗
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,890 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「MARC」データベースより)

会議運営の手続・手法のほか、事務局の役割と行動、世論やメディアへの対応のあり方などについて論述。会議がどのように運営され、どのようにものごとが決定されるかを明らかにし、会議の効率化・生産性について考察する。

登録情報

  • 単行本: 190ページ
  • 出版社: 慈学社出版 (2006/12)
  • ISBN-10: 4903425096
  • ISBN-13: 978-4903425092
  • 発売日: 2006/12
  • 商品の寸法: 18.8 x 13.4 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
 著者が長年座長や委員として関わってきた審議会のメカニズムが解き明かされます。合意形成に至るメカニズムについては「政治学」、事務局の果たす役割については「行政学」、審議会の外部なかんずくマスコミとの関わりについては「社会学」と言う章名を与えられています。
 審議会の組織から答申に至るまで投じられるヒト・時間等の莫大なコストにやはり目が行きます。審議を円滑に進めるための多数派工作、時に「てにをは」まで突っ込んでくる一部委員対策のために莫大な資料作りを強いられることもある事務局、腹の探りあいも兼ねた省庁をあげて行う委員への「ご説明」…。諮問する官庁の「隠れ蓑」としての性格も否定できないとしながらも、著者が審議会の存在意義を全否定しないのは、政治勢力が直接ぶつかり合う議会では達成されることの難しい専門的見地からする慎重な議論とより妥当な解が期待できるからです。ただ、限られた時間で答申を出さねばならないという前提があるため、先ほどに見たような「運営術」が編み出される必然があるわけです。
 議論運営の効率化と実質的な議論、この時として背反することもある両者を両立させるための制度作りが必須となりますが、本書では今後の課題とされています。しかし、審議会の外部にいる我々が公開された議事情報やマスコミ経由情報から審議の流れや内容をまず読み解くことも、制度をより良いものに変える一歩となるのではないか、取り分け「社会学」の章を読んでその感を強くしました。
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11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 本書は、学識経験者として、数々の審議会の座長や委員長を経験されてきた著者が、「委員として会議の場でどのように意見を述べ、自己の主張を貫くか、そして他の委員を説得するか、また座長としては、会議をどのように運営して、意見をまとめ、全員の合意を得るか」という点についての、「個々のメンバーにとっての会議への参加の仕方」や、「座長の立場から見てスムーズに合意に到達する方法」における、「さまざまな技術や作法」を解説しているものです。

 審議会の委員や事務局などの当事者にとっては苦笑しながら読むものになると思いますが、その実態を知らない多くの人間にとっては、新聞などの報道の向こうに垣間見える審議会の読み解き方を伝えてくれる一冊です。
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形式:単行本
筆者は元東京大学公共政策大学院院長だった人だが、業績が極端に少ない政治学者としても知られた人である。なぜ業績が少ないのか。それは政府主催の審議会に出すぎたからというのは冗談だが、自らの豊富な審議会出席経験をもとに政府が主催する審議会の構造を見事なまでに活写したのが本書だ。

私も内閣官房主催の審議会事務局に参加したことがあるが、その経験に照らしてみても、本書に書いてあることは「正にその通り!」ということばかりだ。本書の帯にもある通り「座長必読」「委員必読」「事務局必読」であり「マスコミ必読」「国民必読」である。

本書は審議会の全体構造と政府によって選ばれる「座長」「委員」について詳述した「会議の政治学」。この会議を取り仕切る「事務局」の構造と行動原理について詳述した「会議の行政学」。会議の座長、委員、事務局とマスコミとの関係を論じた「会議の社会学」の三部構成となっている。なかでも読ませるのが「会議の政治学」と「会議の行政学」だろう。審議会のキモは政府によって選ばれた座長及び委員が、表向き政府と完全に独立した形で意見を述べ議論しあい「政府に政策を提言する」構成をとっていながら、その実、政府の意向にかなりそった「意見」を「提言」する構造になっていることだろう。そもそも審議会を設置するのも政府(官僚)なら、座長及び委員を選ぶのも政府(官僚)だ。この委員選定の時点で極端な意見を言う論者や政府見解とかけ離れた主張をする論者は除外されるのが普通だ。それに審議会というのは通常月一回MAX2時間開かれるわけだが、そこで議論するための資料を用意するのも政府(官僚)なら、その資料を読み込んで、あらかじめ論点整理し問題点を洗い出し落とし所を示唆(これを振り付けという)するのも政府(官僚)だ。だから政府から独立した「識者」などと言いながら、事務局の立場から眺めていると座長も委員の先生方も政府(官僚)の振り付け通りに口パクする傀儡そのものに見えることもあるわけだ。もちろん思い通りにいかないのが人生で、それまで従順だった先生が突然事務局の振り付けを拒否し、あらぬ自説を延々と主張し始める一言居士化しはじめて、それまでのシャンシャン会議が奇妙な盛り上がりを見せたりもする。その時に重要なのが座長の役割で、咄嗟の一言で一言居士を転がして見せたり気勢をそいだりして、会議を元の線に戻せるかどうか、ここに座長が持つべき重要な資質があったりする。

委員のタイプを「バランス配慮型(政府の意向を重視し会議を如何にまとめるかに配慮するタイプ)」「自己主張型・自己顕示型」「無関心型・拒否権行使型」などに分類したのも秀逸なら、意見主張のテクニックとして「論理の飛躍は気にしない」「論理の矛盾も気にしない」「部分的な主張をして全体像には触れない」「都合の良い実例・調査結果だけを活用する」「論点をずらす」「一事例を一般化する」なども、思わずニンマリしてしまう分類だ。最近でも「子供の貧困化」「教育予算が日本はGDP比でOECD諸国中最低」などを掲げては教育予算の大幅増を主張するタイプがこれであろう。教育予算の太宗をしめるのが義務教育費で、これはかなりの部分、教員の人件費で占められる。教員の人件費は子供の数に比例するが、日本はOECD諸国中極端に子供の絶対数がGDP比で少ないのだ。だからGDP比でみると、さも日本が教育に金をかけていないように見えるのだが、その大ウソをを見事なまでに引っぺがしたのが財務省主計局で、「子供一人当たりにかけている教育費」でみると日本はOECD諸国中トップクラスに躍り出る。これを突きつけられた教育「学」者は、負けを認めるどころか居直って「現状を追認することは少子化に拍車をかけることになる」などと「あらぬこと」を言い出した。万座が爆笑に包まれたことは言うまでもない。こういう手合いが日本にはまだまだ多いのである。

審議会には「政府(官僚)の隠れ蓑」という根強い批判がある。ただそうとも言い切れない部分があって、政府(官僚)は常に世論の動向を気にもしているのだ。重要なことは、我々国民一人一人が「バランス配慮型」に陥って交差点で道を譲り合ってどちらも前に進めないような状況に陥ることなく、「自己主張型」になって自分の意見を堂々と主張しあいぶつけ合うことであろう。こうする努力を通じて政府に自分の意見を反映させること、これこそを民主主義を磨く道であると私は信じるのである。
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