一方で、会計ソフトはお客さまにとって、所詮、道具でしかありません。弥生はこれまで、「会計ソフトを買うなら弥生会計」という販促活動を行ってきましたが、これはお客さまの真の悩みにお応えできていないのではないか、と感じています。中小企業が生き延び、成長していくためには、会計は避けて通れませんが、現実には、会計ソフト以前に、そもそも会計と聞くだけで難しそうと尻込みをしてしまう方も決して珍しくありません。
世の中には、会計を学ぶための多くの会計本が存在します。いわゆる、決算書を読み解くといった本は大ヒットとなっていますし、最近ではIFRSに関する本も多くなっています。しかし、日本の事業の99.7%を占める中小企業(個人事業含め)にとって、重要なのは決算書でもなく、IFRSでもありません。これからという起業家にとっても、街の床屋さんにとっても、最も重要なのは、日々の収支と資金繰りをしっかり把握できるようにすることです。
会計ソフトのNo.1メーカーの社長として、「会計ソフトだけではダメ!」という題名は、やや自虐的ですが、会計ソフト以前のお客さまの素朴な疑問や悩みにお答えしたいという一念で執筆しました。「本当の会計」とは、決算書でもIFRSでもなく、自分の事業が
今どんな状況にあるかを、正確に、タイムリーに把握すること、というのが本書の一貫したテーマです。
さらに、領収書の取り扱いから、会計事務所との付き合い方まで、弥生の社長に就任する前に、かつて自分が起業した際の経験も踏まえ、本当に実用的な本とすることができたと自負しております。一人でも多くの方にお読み頂けることを願っています。
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