本書は、東京大学名誉教授であった故鈴木竹雄教授の名著「新版会社法(全改訂第5版)」の伝統を引き継いだ会社法の体系書。
特徴としては、はしがき(初版)記載のとおり、「会社法について筆者が理解しているところを概説したもの」で、他の体系書とは違い、解釈論や判例のみならず、法律についても簡潔な記述にとどめられています。
一連の構造改革に伴って、近年は改正の頻度が高まっていますが、ビジネスマンとしては、改正法を迅速かつ正確に把握し、実務に活かしていかなければなりません。
この点本書は、その「身軽さ」をフルに活かし、改正の都度改訂を重ねていますし、その内容を「株式会社の歴史」と題して簡潔に纏めてありますので、多忙なビジネスマンにとっては有難い限りです。
なお、概説書というとレベルが低いと思われるかもしれませんが、決してそんなことはなく、「法規整の特色」と題して規整の内容を概観したうえで、個々の法律の説明をするなど、レベルを維持しつつ本質を理解できるよう工夫がなされています。もっとも、前述のとおり、概説書ゆえ解釈論や判例の記述が少ないので、改正法の全体を把握した後は、商事法務等の専門雑誌で情報を更新することをお薦めします。