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個別注文・配達サービスなどで快進撃を続けるフレッシュヤマモト。だが、最大の株主である年金基金は収益効率の改善やコーポレートガバナンス(企業統治)体制の強化を求めてきた。創業者は引退し、後継のCEO(最高経営責任者)には財務体質の改善を目指し、オペレーション改革も遂行できるジム・マグロースが就く。
ジムは「株主一本槍経営」に批判的で、株主、顧客、従業員、社会という4者の満足度をバランスよく向上することに努めた。コストチーム、コミュニケーションチームなどの組織を作りながら、全社横断的なコスト改革、事業や店舗の「選択と集中」を進めていく。その結果、フレッシュヤマモトのブランドは全米に浸透し、株主価値も向上するなど改革は成功した。
経営理論やファイナンス理論の基本も物語に織り込み、自然に理解できるよう工夫されている。
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内容はぎっしり。しかも徹底して理詰めなので読むのに集中力がいるが、なかなか良くできたストーリーのおかげで、「フレッシュヤマモト」の経営者にでもなったつもりで楽しみながら読めた。登場人物の語る「解説」は図説やたとえ話を多用していてわかりやすく、行間を読む必要がない。おかげで経営学の知識がまるでない評者もときどき立ち止まって頭を整理するだけで充分ついていけた。
単にわかりやすいだけでなく、妙な精神論やイデオロギーじみた煽りがなく、抑制の効いた語り口で、経営理論にたしかに役立つけれど、やはり適用範囲には限界があるということを強調している。詳しくは述べないが、読者もいったん「罠」にはまるようにストーリーが構成されている(はい、ぼくははまりました)ので、啓蒙効果は抜群だと思った(この手のわかりやすい本の欠点は、内容を批判的に検討する機会がなくなってしまうことだ。それだけにこの配慮はうれしい)。
このように本書は、地に足のついた正統派の経営学をわかりやすく説いている。これを一冊を読めば、経営学への先入観(胡散臭い!難しそう!)が払拭できるのでは。バリバリの「ビジネスパーソン」だけでなく、ぼくのような素人にもお勧め。
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