本書は、日本コカコーラ取締役会長を務める魚谷雅彦氏が、特別顧問として、NTTドコモという巨艦を変えた、その1,000日間にもおよぶ戦いの記録です。
ともすれば、僕たちは一つの部署ですら変えることに苦労をしていますが、魚谷氏は、社外から、巨大企業を変えてしまうわけです。そこに学ぶべきところは多くあるでしょう。
個人レベルでは、これは「行動を変える」ということであり、まぎれもなく「学習」が、その背景にあるわけです。組織を変えるために、どのように個人の学習を促進させるのか、という文脈で読むと、得られるものがとても多い1冊になります。
・組織というものは、うまくいっているその頂点にあるときから、つねに次の変革への準備を始めることが必要です。その改革の方向を決めるのは、いつも「それはお客さま起点になっているか?」ということです。(p51)
・お客さまと接する、すべての「コンタクトポイント」の質と量が、ブランド力をかたちづくります。(p69)
・ブランドそのものが誇りであり、モチベーションであり、チームワークの源泉であり、お客さまに対する自分たちの理念の表現です。(p76)
特に、p133で紹介されている「ドコモのロイヤリティー・マーケティングモデル」は、立ち読みでも見ておくべきものです。またp140の「変革の方向性:From → To」も、当たり前のことではありますが、こちらも再確認しておくことをオススメします。
個人的には、特に気になったのは、p204以降で紹介されている、1泊2日の「リーダー研修」でした。研修の最後に行われる「10年後に、ドコモという会社が世間から、社会から、どんな会社だと言われているか、新聞の見出しでつくってみましょう」という課題は、今すぐにでも、どこの会社にも適用できる優れたものだと思います。
「さすがドコモだ」と言われるような状態を目指して行われた改革の物語。僕たちも「さすが○○だ」と言ってもらえるような組織づくりを目指しているわけです。