ホリエモン逮捕、オリジン東秀のTOB騒動など企業買収は否定的な見られ方をすることが多い。、著者は「株式市場はマネーゲームだ」という批判に対し「きちんと企業を値付けできる投資家が育てば、適正な価格が形成され、マネーゲーム的投機家があぶく銭を得ることも株価をつり上げる経営者もなくなる」としている。著者は、誰もが投資をして株主として経営者を選ぶことで、よりよい国、社会を作ることができるとし、本書で企業価値の算定法を解説することで、多くの人へ向け、株式市場への参加を促している。
この考えから、本書では、企業価値の算定法を記し、本書のキモとなっているのが2、5章。2章は数式が多く、5章は簿記の初歩的な知識がないとちょっと取っつきにくいかも知れない。しかし、会社を金の卵を産むガチョウに例え、できるだけ易しい説明をしてくれている。計算方法は上記の2,3章にとどめ、あとは日米の「会社の値段」について、事例を挙げながら、その考え方の違いを書いている。
本書の立ち位置は、株式至上主義、市場原理主義に近いが、決して利己主義的ではなく、「株を買うことは社会を良くする」という考えに、理想主義を感じる。企業買収がテーマだが、一般投資家(とその予備軍)にとって、なぜ投資をするか、どうやって投資をするかを考える上で有益な内容だ。