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14 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
独特のイメージ,
By ninetails (兵庫県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 伊豆の踊子 (新潮文庫) (文庫)
川端康成の代表的名作。表題作の他に、『温泉宿』『抒情歌』『禽獣』の計四編を収録しています。『伊豆の踊子』は、一人の学生が小さな少女に寄せる想いを描いています。学生の抱く緊張や、少女のかわいらしい仕草は簡潔でありながら鮮烈で、自然な優しさを主人公に変わって味わっているような暖かみのある作品です。六十ページ程もない作品にこれだけ彩り豊かな物語をまとめた著者は本当に驚くべき程の天分の持ち主だったのだろうと感じさせられてしまいます。 他の三編も独特。他の方のレビューにもありますが『抒情歌』は川端康成の美に対するイメージが如実に感じ取られて非常にきれいな仕上がりとなっています。『禽獣』もお勧め、人を嫌う男の動物に対する愛着や、それを通して感じられる世界観は、曇りが無く、また冷徹でもあり、志賀直哉の心境小説とは似ているようで、また違った感覚が味わえます。 ページ数も薄く、お手軽な値段の作品ですが是非ゆっくりと時間を掛けて読んでみてください。初めて読んだ川端の作品でしたが本当に満足しています。 蛇足ですが、竹西寛子と三島由紀夫の解説は、どちらも 「一般の人々がこれらの作品からうける感想は、全く間違っており、作品に対する冒涜である」 という様なことを言いたげで、非常に不愉快でした。
24 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
大人になったら読み返そう,
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レビュー対象商品: 伊豆の踊子 (新潮文庫) (文庫)
大人になって読み直して、一座の人間関係も理解できたし、「私」の立場も飲み込めた。学生なのに、回りから「旦那様」と呼ばれるが、社会的地位が全く違うのだ。 主人公の宿に遊びに来た男と一緒に食事をすれば、当然主人公が支払うのである。もちろん、下心があって一座が主人公と一緒に行動するのではない。しかし、そうすることが当然なのだ。 主人公は二十歳、踊子は十四歳だがいずれも数え年。川端康成が実際に体験したことを元にしているらしい。 吉永小百合の出演した映画で、たしか十朱幸代が演じたのは原作にない役だったが、「温泉宿」のお清なのである。 「伊豆の踊子」という題がいい。題名がいいために何度も映像化されているのではないだろうか。 ほかに、「抒情詩」「禽獣」の二編が収録されているが、正直なところ、読んでもよく理解できない。奥深い情念が渦巻いていて、何かをかいま見ることができそうな気はするのだが、そこに何があるのかは分からなかった。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
旅情を読む,
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レビュー対象商品: 伊豆の踊子 (新潮文庫) (文庫)
本作はノーベル賞作家・川端康成氏による短編集。表題作を含む4作が収録されている。 孤独に悩む主人公はひとり旅の途中、旅芸人の一座と出会い、半ば道中を共にする。 主人公は一座の踊り子である薫に惹かれ、ふれあうことによって次第に心が洗われてゆく。 本作はとても短いが、その中にも溢れんばかりの旅情が詰まっている。 出会い、ふれあい、別れの中で、主人公は笑い、胸を苦しめ、清々しい涙を流す。 短い時間ではあるものの、その濃密さは「青春」というありがちな表現ではとても収まらないのでは。 最も印象的だったシーンは、湯ヶ野の宿の温泉のくだりである。 裸のまま両手をいっぱいに振る踊り子、それを見て「まだ子供なんだな」と笑う主人公。 ラストを除くと、作品中では二人が最も距離を置いた状態でのコミュニケーション。 しかしある意味、二人が最も近づいた瞬間だったなのかも知れない。 そう思うととても清々しいシーン。 個人的には「雪国」「古都」に並んで好きな作品。 短い作品であるため、初めて川端康成を読もうという人には最適。
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