城ヶ崎海岸や大室山等の風光明媚な伊豆半島の風景を愛する方は多いが、その地形が激しい火山活動で出来た事を知る方は少ないと思う。本書はフィリピン海プレート上の島弧火山群の一部である伊豆半島が、海底で形成されながらプレートとともに北上して日本列島と激突しつつある現状を年代を追って細かく解説してくれる素晴らしい本である。地方紙の連載記事が元になっているので、各項目は2ページで簡潔に書かれており読みやすい。難しい用語もいちいち解説がついており初心者にも読みやすい。伊豆半島の、特に伊豆半島東部単性火山群について細かく系統的に解説した貴重な本と云える。著者の関心は火山学だけでなく、伊豆地域の複雑なプレート環境や、断層、地震の可能性まで及んでおり、関東地方の地学について学ぶ教科書としても素晴らしい本である。この本を片手に伊豆高原を散策したくなるような本でもある。