伊藤潤二氏が生んだ屈指のキャラクター「富江」が登場する短編を編んだ作品集です。
収録作は以下11話です。
・暗殺
・毛髪
・養女
・小指
・少年
・もろみ
・ベビーシッター
・ある集団
・通り魔
・トップモデル
・老醜
母親の胎内で生まれてくる前に共食いをするサメやカッコウの托卵等自然界の一見無慈悲な生物の習性(これは例えで、同じネタが本作内で使われて居る訳では御座いません)や西洋の伝承・チェンジリング等多岐に渡るアイデアを妖女「富江」に収斂させる業前・が冴えています。
成体で無性生殖をすると思われていた「富江」の幼生(つまり子供の富江)の出現や、これだけの繁殖力を持つ彼女が何故世界に溢れてしまわないかの理由付けも楽しい下巻です。
加えて永遠の若さを保つ 富江に対して憎悪を抱く儚い人間も登場して益々興をそらせません。
一部スプラッターシーンは御座いますが女性向け漫画誌に掲載されていた作品で、残酷趣味より豊かな奇想を楽しむ内容が多いので初めて読む女性の方も(多分)安心です。
お薦めです。
(伊藤潤二傑作集2 富江 下(あさひコミックス)のレビューです。)