陸上自衛隊中央音楽隊が、日本作曲界の重鎮伊福部昭の代表作を吹奏楽にアレンジして演奏したアルバムです。松木敏晃の編曲は作曲者本人の「お墨付き」を得ただけあって、原曲の魅力を損なうことなく、これら作品に新たな息吹を吹き込みました。このアルバムに収録された曲(シンフォニア・タプカーラ、交響譚詩、SF交響ファンタジー第1番)は、伊福部作品の中でも特に金管楽器と打楽器が活躍するものであり、剛毅で明朗な響きをその最大の特色とする吹奏楽での演奏にとてもマッチしていると思います。さらに特筆すべきは陸上自衛隊中央音楽隊の技量の高さ及び作品への敬意であり、彼らの力なくしてこのアルバムは成立し得なかったことでしょう。
私は陸上自衛隊中央音楽隊の演奏会で初演を聞くことができましたが、その時の圧倒的な感動は今でも忘れることができません。なお、初演時には伊福部氏も臨席しておられましたが、きっと満足されていたことと思います。
素晴らしい曲が、素晴らしい編曲とヴィルトゥオーゾ集団に出会った時には、管弦楽や吹奏楽といったジャンルに関係なく、純粋に音楽の感動を味わえるということが実感できる好例です。ぜひ一聴をお勧めします。