伊福部の音楽には「無国籍」なものが多いが、この盤は「亜」に絞ったものだ。
「日本の太鼓」は「バレエ音楽」を名乗っていながら、西洋バレエの華やかさは微塵も無い。
ひたすら重々しい太鼓が表情を作り出している。
「交響的エグログ」は、「はい、とりあえず日本の楽器を入れてみました」のような安直な
曲では無いところに、作曲者の執念が垣間見える。
「フィリピンに贈る祝典序曲」は、先に卆寿記念盤を聴いたあとだから、少し胃もたれする
演奏だったが、個々の楽器の表情がよく見え、かえって面白い。
「日本人としての血」を騒がせるのはのは、やはり「日本・アジア」の曲しかないと感じた。
西洋音楽に少し飽きてきたら、まずはこの盤も聴くことをお勧めする。