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伊東静雄 (講談社文芸文庫 すD 3)
 
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伊東静雄 (講談社文芸文庫 すD 3) [文庫]

杉本 秀太郎
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,680 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

詩集『わがひとに与ふる哀歌』の画期的評釈 伊東静雄の処女詩集全28篇に慎み深く隠された連繋を「私」と「半身」というふたりの擬作者に割り振ることで、詩人の「意識の暗黒部との必死な格闘」を読み解く

登録情報

  • 文庫: 352ページ
  • 出版社: 講談社 (2009/5/8)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062900491
  • ISBN-13: 978-4062900492
  • 発売日: 2009/5/8
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 709,313位 (本のベストセラーを見る)
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
私にとって伊東静雄は、中原中也と並んでまさに「詩人の中の詩人」というべき存在です。

太陽は美しく輝き
あるひは太陽の美しく輝くことを希ひ
手をかたくくみあはせ
しづかに私たちは歩いて行った

1935年(昭和10年)、彼が若冠29歳で書いた詩集「わがひとに与ふる哀歌」を読んだ人なら、この詩人の研ぎ澄まされた知性とあまりにも繊細な感受性、その孤高に拠るエキセントリックな世界に驚嘆し、憧憬と近寄りがたさの両方の気持ちを懐くに違いありません。

彼の詩はヘルダーリンやゲーテ、古今集などから学んだ象徴的な修辞技法、とりわけ隠喩を駆使した難解ではあるけれど美しすぎる語法に最大の特徴があると思われますが、その代表作「わがひとに与ふる哀歌」を文字通り徹底的に読み解いたのがこの本です。

まず著者は、この詩集はプロットにもとづいてすべての作品を作り配列されたと断言します。次に、題名の「わがひと」とは詩人の恋愛の対象である女性ではなく、「私」という男の「半身」であるところの男性であるとし、冒頭の「晴れた日に」以下の連作は、その「私」と「私の半身」との間の応答あるいは対立と相互抵抗から生まれ、和解のないままに「放浪する半身」の入水自殺によってこの相互関係は断絶したと断定するのです。

それは確かにひとつの仮定にすぎませんが、強引とも思えるこの想定に従って読みはじめた私は、それまでは美しいけれども難解そのもので結局は意味不明であった諸作品が著者の解説と解釈によって次第に統一的な視点で像を結び、形式と意味内容ともどもが初めて腑に落ちるという類稀な詩的体験を味わうことができたのでした。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 如那傘如臼太 トップ500レビュアー
形式:文庫
伊東静雄の第一詩集『わがひとに与ふる哀歌』を徹底的に読み解いた本である。

杉本氏によるとこの詩集は、
冒頭の『晴れた日に』という詩に出てくる「私」と「半身」の応答を軸に展開する詩集らしい。
本書ではその応答がどのように繋がってゆくのかが丁寧に解かれ、また詩の元ネタも追及されている。
わがひとに与ふる哀歌』を取り敢えず一度読んだあとで読むのが吉であろう。

個人的な感想を述べさせて頂くと、
詩集の軸に筋立てを見出して読み解くという試みは斬新であったし、効果的だった。
文字通り"徹底的"な読みであった。

だが、少々穿ち過ぎているような気もした。

この詩集を一つの舞台演劇にたとえるなら、
本書はその舞台を素直に客席から鑑賞しているのではなく、
舞台裏や楽屋など、本来観客に見せることを想定していない部分を覗き見ているのである。

『わがひとに与ふる哀歌』の元ネタはゲーテである。セガンティーニである。古今集である。と、
突き止めた作者の努力は素晴らしい。
だがそれらの元ネタが窺い知れるのは詩集の中ではなく、詩人の書簡や日記の中であるのだ。

読み解くのにゲーテやセガンティーニや古今集の知識が要るなら、
それは詩集の中に書かれるべきではなかったのか。
たとえ詩人自身の言葉であろうとも、詩集の外の知識を持ち込んで読み解くのはどうなのだろう。

言い方を換えると、本書でやっている作業は、
「作り手がどのようにして詩を作ったのか」を作り手目線で調べることであって、
「読み手が詩集のみを純粋に読んで純粋に解釈するときにどう読むべきか」を示すモノではないのだ。

「作者目線で見た詩集の成り立ち」が分かったとして、
その理解は「読者目線での詩集の読み」の助けになるのだろうか。

「作品論と作者論は不可分だ。よって詩集の理解に詩人の日記や書簡を併せるのは当然だ」
という感覚が……どうも私にはシックリ来ない。それが気にならない読者が羨ましい。

然し、間違いなく良書である。
詩の好きな読者には一読をお勧めする。
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