パワースポット・ブームです。一般的に「伊勢神宮」と紹介されている「神宮」はその意味で古来よりずっと信仰の対象として参られてきました。近世の「伊勢講」や「お蔭参り」のブームを持ち出すまでもなく、「お伊勢参り」は観光の原点でもあります。昔、関西の小学校の修学旅行はお伊勢さんでした。
本書は、その「神宮」を知る上で適切な分量と分かりやすさを兼ね備えたガイドブックと言えるでしょう。オールカラーですので見やすく、掲載写真も豊富で、マップも含めてイラストも適宜添えられています。
五十鈴川上にあり、御祭神として天照大御神が祭られている皇大神宮(内宮)と、宇治山田にあり御祭神として豊受大御神が祭られている豊受大神宮(外宮)は多くの人が訪れており、ご存じでしょうが、別宮、摂社、末社、所管社など全てで125の宮社を数えるということは知りませんでした。凄い数です。
平成25年に次回の「第62回式年遷宮」が行われます。114ページに詳しく記してありますが、社殿を造り替える20年に一度の大祭のことです。
神事も含めて実に詳しく掲載してありますので、観光ガイドとしての利用よりもずっと深く知りたいという人向けの内容でしょう。
128ページには、片山東熊によって設計された名建築の神宮徴古館や素晴らしい奉納の絵画等を展示している神宮美術館についても簡単に触れられています。この2つの施設の素晴らしさを知り複数回訪れましたが、本書では少し触れられているのにとどまっています。
内宮の門前町として発達したおはらい町やおかげ横丁については、4ページの分量で掲載してありますが、それとて歴史的な経緯を中心に書かれており、観光目的での記載が少ない所に本書の矜持がでていました。それを知った上で本書を手に取ってください。