本書の対談部分は、マガジン9条HPでも読めるのだが、本書ではこれらの地域の歴史年表等を、補足的に追加挿入している。
本書では、先ずまえがきの「平和」の定義で、ガツンといかれる。
民衆の抗いをも止めた「平和」ではなく、「戦争・紛争」の予防を。
スーダンの全盲の障がい者教育支援NPO理事長、元サラエボ日本大使館スタッフ、民主化運動に関わり難民として日本で認定された地質学者、国連のPKO活動の限界を感じ、人権活動家となった元アイルランド将校、憲法9条を研究するノルウェー人学者の5人によって、現地の事情や平和構築への道筋が語られる。
9条を武器として見習うべきはノルウェーだろう。
紛争に中立の立場で介入し、対話の場を提供する事で和平の仲介役を果たしてきたノルウェー。
まさしくノルウェーからすれば、「日本に9条はもったいない」と言われても仕方がない。
例えば日本は中近東において、米に抗った小さな国として受け入れられていた。
しかし、米追随一辺倒の姿勢を貫き、仲介役としての資格を失ってしまった。
アジアの紛争では、過去の歴史からして尚のこと無理だ。
残る手は、著者のような個人が国連やNGOの一員として活動に参加する事ぐらいか。
そのように考えると、9条は絵に描いた餅となっており、確かに「もったいない」状態。
国内で排外の動きも盛んだが、それよりも国際的に民衆の側から認められる運動へ向けて、紛争を知り、解決策を模索した方が、国益にかなうのではないか。
(流動的だが)ビルマのNLDは、不参加で総選挙の正当性を揺るがし、国際社会の軍事政権への非難を強めるとのスーチー氏の狙いもあり、今年後半に予定される総選挙への参加ボイコットを決めている。
どの紛争地域も手詰まりな状況を抱えている。
そんな今だらこそ、仲介が成功すれば評価は一気に高まるのだが・・・