著者が何かの講演で話した内容をまとめた本。もともとの単行本は2004年に出ていた。著者の本は何冊か読んでいるが、文庫化を機会に、未読のこの本を読んでみた。
最近多い企画術の本は、
1 企画のもとになるアイデアをどのように出すか
2 そのアイデアをどのように見せるか
といった視点の技術的な要素の強いものが多い。
しかし、この本は、そういったテクニックに関するものではなく、企画を通すために、実現するために、どのようなマインドセット、心構えが必要かということを中心に書かれている。
内容的には当たり前のことが多いが、しかし、その当たり前のことが実は実行が難しい。
自分の仕事は企画提案書を評価する方が多いので、著者が言うように「汗をかいた」ものかどうかは、よく分かる。単なる見栄えのいい提案書なのか、提案者が本当にこちらのことを考えての提案かどうかって案外、簡単に見抜けるものだ。
また、この本の中に、提案の相手方の担当者が社内で提案を実現できるように協力せよといった言葉があるが、これもよく分かる。まさに私はこの担当者として、提案を受け、社内(庁内)に進めようとして、何度も挫折してきた。著者の言う独り歩きしても大丈夫な提案書にはなかなか巡り会えないからだ。
企画する立場のこともよく分かり、企画にかける熱意、情熱が伝わってきて読んでいても胸が熱くなる本だ。