大学教授とコンサルタントの共著。で、構成も、企業戦略に関する一般論(おそらく教授担当)と、それに関連するフレームワーク(5フォースとかS字カーブとか)の説明を組み合わせた構成になっていて、戦略論を学びたいと思っている読者にとっては親切なつくり。
ただ、全体的には掘り下げが浅く、真の意味での戦略的意思決定を学ぶには物足りない印象がある。たとえば、前半で信越化学の塩ビ事業強化のケースが書かれていて、「他社が徹底する中でなぜ信越化学だけが逆張りの設備投資をしたのだろうか」という命題を与えつつも、それに対する説明は「市場を良く知っていたから」で済ませてしまうなど、ちょっと拍子抜けする。
同じ章に5フォース分析の説明が載せられているのだが、どうせなら当時の信越化学の状況を分析してくれればよいものを、単なる一般論的な説明で終わらせているために、同じ章内でのブリッジがかけられていない。
せっかくアカデミズムの人とコンサルが共著になっていのだから、もう少し突っ込んだ分析をしてくれるとありがたい。