あらゆる業界の不祥事が明るみにされ、企業の社会的責任(CSR)を問う声が高まっている。コンプライアンスやステーク・ホルダーといった言葉も急速に浸透し始めた。しかし、欧米流の経営を学ぶ前に、日本独自の「商人道」を見直すべきではないか。江戸中期に確立した石田梅岩の「心学」にこそCSRの原型があるのだ。「お客様満足」「利益の正当性」「倹約と正直」「持続可能性」……。本書では、梅岩の著『都雛問答』『斉家論』をひもとき、「資本の論理」と「倫理」のバランスを諄々と説く。▼もとは農家の出であった梅岩は、十一歳で奉公に出るも長続きせず、二十三歳で再び商家に入る。やがて番頭格に出世し、四十四歳ではじめて商人道の講座を開いた。それは、梅岩が問い、門人が答えるというゼミナール形式であった。その後、講座は全国に広がり、商人たちの倫理観を確立したという。梅岩の思想を知ることにより、喪われていた企業倫理観が取り戻せる好著である。
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5つ星のうち 5.0
企業の社会的責任,
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レビュー対象商品: 企業倫理とは何か 石田梅岩に学ぶCSRの精神 (PHP新書) (新書)
昨今、「CSR(Corporate Social Responsibility: 企業の社会的責任)」が注目されている。切っ掛けは多発する企業の不祥事なのだろうが、その根本には日本国民の「倫理観」の喪失があるだろう。さらにそれを裏打ちする「国家観」の喪失でもある。むろん政府の無策も多々あろうが、国民一人一人が自省せねばならない。経済大国である日本国民は気づかないのかもしれないが、概ね安定した国家に有難さを感じると同時に、それを構成するのが我々国民であることの自覚が必要だ。栄枯盛衰という言葉があるが、国民が油断をし政治、政府や企業が堕落すれば、国力の衰退は免れない。仮に国民全てが国家観を亡くせば当然国は滅びるのである。国家に対する義務と権利をバランス良く自覚することで倫理観も醸成されよう。現在、その国家観が急速に見失われている。戦後政治の責任は大いにあろうが、経済界の無秩序な拝金主義に起因する面も多々ある。例えば「テレビ」である。今やテレビは政治よりも強大な権力ではなかろうか。既に政治だけで国家観、倫理観を覚醒させるには不可能に近い。各テレビ局はそれらの自覚がないのか低俗な番組ばかり創り上げる。その基点となるものは企業の不祥事に共通する「儲かればそれで良い」といった倫理観を伴わない大衆迎合的な視聴率偏重主義である。仮にテレビで国家観や倫理観を醸成させる番組を増やせば社会の秩序は間違いなく好転するだろう。国民や政治家を腐らせたのは経済発展に反比例したテレビ番組の醜悪化である。そんな醜悪な番組に視聴率という指標だけでスポンサーになる企業も同罪であろう。 国民に国家観、倫理観を目覚めさせるのはテレビ局とスポンサー企業における最大の社会的責任ではなかろうか。 本書で「勤勉・誠実・正直」を尊ぶ日本的経営を見直そう。そしてその実践は経済的な豊かさだけでなく、精神的な豊かさへの道でもある。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
少々物足りないが・・・,
By poppoppo (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 企業倫理とは何か 石田梅岩に学ぶCSRの精神 (PHP新書) (新書)
以前、山本七平の「日本資本主義の精神」を読んでいて石田梅岩を知り、本書を手に取った。梅岩の基本的な考え方を原文とあわせて紹介している。原文の後に意訳、そのあとさらに解説、という体裁で、章によっては意訳と解説が似通ってしまっているところもある。 以前から江戸期の日本経済に関心があるので、梅岩の思想についてさらに知りたいと思ったが、内容的には本当に入門書で、「日本資本主義の・・・」のあとでは少し物足りない。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
企業倫理入門とでも言うべきか。,
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レビュー対象商品: 企業倫理とは何か 石田梅岩に学ぶCSRの精神 (PHP新書) (新書)
ビジネスマン向けのPHP新書ではあるが、企業倫理に日本的な根があることと、さらなる追求のための導入的意味合いを持ちうることについては、好感が持てた。企業倫理入門とでも言うべきか。 企業のトップが頭を下げる情景が日常茶飯事になった昨今、読んで損はないだろう。
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