はしがきにもあるように著者である菅原正博氏の次世代シリーズ5冊の進化版として発刊されたようだ。今回は、その次世代シリーズにも執筆していた山本ひとみ氏に加え、マーケティングメソッド研究所大島一豊氏が加わった。
内容については、マーケティングの基本である消費者に焦点を当てさらに生活文化論、生活業態論など他のマーケティング関連書籍にはあまり語られないところまできめ細かく分析されている。
企業視点でのマーケティングというよりもそれを実践して、この本のタイトルでもある「企業ブランディング」を確立するには、ここまで消費生活者を洞察しないとその実現は不可能である。という内容は閉塞感のある今日では参考になるところが多いともいえる。また、企業ブランディングは消費生活者との「絆」づくりとも提言され、短期で確立するものでなく、中期的視点で作り上げる体系的なプランニング力が成否を決める。まさにその通りであると感じる。売り上げだけを追求していて、一時的にそれを成しえても一度、不祥事を起こすと一瞬で倒産に追いやられることもある。そういう視点でも攻めと守りのバランスなど従来、経営分野や企業広報分野などからの視点も垣間見える。中でも新世代コミュニケーションとは、従来、商品の知名、認知を主体に最終的にその販売を目的としていた「商品マーケティングマネジメント」から「企業コミュニケーションマネジメント」へ転換する必要性の提言があり、それを7つのポイントでまとめてありたいへん興味深く、わかりやすかった。
大学生向けのマーケティング講義に使用することを中心に構成され、企業事例なども多くあり、たいへん良い体裁である。
この「新世代」もシリーズ化されるのか?楽しみである。