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企業ドメインの戦略論―構想の大きな会社とは (中公新書)
 
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企業ドメインの戦略論―構想の大きな会社とは (中公新書) [新書]

榊原 清則
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

これまで一貫して高成長を持続してきた日本企業をとりまく経営環境は、いま大きく変わりつつある。まず、どのような領域を自社の存在領域として構想するか、という戦略決定が改めて問われており、成長の方向性について主体的展望をもち、意識的に全社的な事業構成の定義と組み替えとを行なうことが不可欠となってきた。本書は「ドメイン」というキー・コンセプトによって、それが如何になされるかを、具体例を通して考察する。

登録情報

  • 新書: 185ページ
  • 出版社: 中央公論社 (1992/05)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4121010744
  • ISBN-13: 978-4121010742
  • 発売日: 1992/05
  • 商品の寸法: 17 x 11 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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豊富な事例 2002/8/16
形式:新書
 著者はまず、アメリカの有名なマーケーティング学者が提示した仮説である、企業がうまく発展しなかった原因の一つに企業のドメイン(企業活動の範囲や領域)を上手く定義できなかったからというのを本書で引用している。つまり原因→結果で表すと、企業ドメインの定義ミス→企業の発展阻止ということだ。

 しかし、著者はそれに対してドメイン自体の定義ミスではないという仮説を提示する。
具体的には、
1あるドメインに固執しすぎ、
2そのドメインが社会に受け入れられていない、
というドメイン自体を問わない仮説を提示する。

 そしてさらに、もう一つの仮説、ドメイン自体を問う仮説を提示する。その仮説は、先に挙げた学者が事例に用いたアメリカの鉄道会社の失敗から帰納的に構築されている。アメリカの鉄道会社の失敗の理由は、
ドメインが、
1活動に注目しすぎ、意味の範囲が狭かった。
2将来の展望に欠けていた。
3社会が納得しなかった。

という理由を挙げた。1は空間の広がり,2は時間の広がり、3は意味の
広がりという概念に落ち着かせた。
 仮説を構築して以降は主に豊富な事例を用いて実証をしていく。その中で著者は3の意味の広がりをより気をつけなければならないと主張。
 結論ではもちろんこれらの仮説が実証され、日本企業に対して提言をする。

 以上が主なレビューである。以下、読んだ感想としては、さすが一流の経営学者という感じの本である。議論が一貫しているし、読んでいて本に吸い込まれていった。経営に役立つツールを考えるなら、企業のドメインを社員や顧客に同意されるようにそれらの人々と相互作用して作っていくことが経営幹部には必要で、さらにそれが企業の発展をもたらすということであろう。

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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By wave115 VINE™ メンバー
形式:新書
企業ドメインという聞き慣れない言葉ですが,簡単に言えば企業の事業領域ということになるでしょう.そしてその中に,現実の事業領域と企業の戦略領域といった2つの側面を持つとのことです.

興味深い例として,鉄道会社を物理的な面から鉄道事業ととらえるか,機能的な面から輸送事業ととらえるかで,アメリカの鉄道会社は鉄道事業ととらえたため衰退していったという話があります.ドメインの設定の仕方によって将来の発展が大きく変わるようです.また,国内外のいくつかの企業の成功例が紹介されています.企業ドメインを正しく設定して成功した企業もありますし,レーサーミニ四駆のように企業によるドメインの定義だけでなく,顧客との相互作用によって意外なヒットで成功した例もあるようで,現実はなかなか理論通りにはいかないようです.

ビジネス戦略に携わる方にはいろいろと参考になるのではないでしょうか.
このレビューは参考になりましたか?
9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
アメリカの鉄道会社が衰退してしまったのは、自らの事業領域を「輸送事業」ではなく「鉄道事業」ととらえてしまったことが原因だ。こういう話が戦略やマーケティング関連の本によく載っています。(これはレビットの論文で初めて言われたことのようです。『T.レビット マーケティング論』にはそのことが載っているみたい)

この話をしなくても、日頃から感覚的に「あの会社はスケールが大きい経営をしている」というようなことを思ったりしています。

この「事業領域」や「経営のスケール」に相当するのが、本書で取り上げられている「ドメイン」になります。

本書では、企業のドメインを「空間の広がり」「時間の広がり」「意味の広がり」の3つの次元からとらえています。さらに、ドメインは静的なものではなく、時間と共に変化していく動的なものとしてとらえ、様々な視点を提供しています。

様々な視点のうち、特にドメインの意味に焦点を当てた議論はとても参考になりました。例えば、ドメインを経営者が定義すれば済むのではなく、その後、環境側(組織の構成員や外部環境)とのコンセンサスが成立しなければ効果がないという「ドメイン・コンセンサス」の議論や、製品が持っている「意味領域」は、企業側が一方的に決められるものではなく、ユーザとの相互作用を通して形成されていく「相互的意味創造」の議論や、それを引き起こすための「意味の余剰」や「引き込み」の議論は勉強になりました。

本書では、そのような議論を数多くの事例(成功したものも、失敗したものも、現在進行形のものも)を取り上げて解説されています。中でも日本企業の事例は、コア・コンピタンス経営をドメインの視点から解説したようなものになっていて参考になります。
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