前半は初心者に易しく、後半は上級者も楽しめるように。ED前と後で遊び方が大きく変わるゲーム。
それゆえに初心者と上級者の住み分けが上手いこと出来ており、全体的にバランス良く完成されたダンジョンRPGでありながら、特にシナリオが秀逸。
『ポケモン』という題材を無駄にせず、むしろその題材から新しい境地を生み出した作品のように思う。
本家のポケモン図鑑を基にした粋な設定や、ポケモンという空想生物が主役だからこそ成り立つ純粋で綺麗なシナリオ。
余計な設定がない分ストレートで分かりやすく、子供向けであることは確かなのに、その物語の裏側にある深さから、歳を重ねた大人ですら思わず涙してしまう。
また、台詞回しが魅力的。なかでも中盤からラストにかけてパートナーが主人公に向ける言葉の数々は、その一つ一つにいちいち鳥肌が立ったほど。
シリアスな展開が続く中で時折、張り詰めた空気を和らげてくれるように入るギャグシーンも、タイミングが絶妙。
主となるターゲットが子供に向けられた作品だからこそ、こうまで丁寧に作られたのだろうことが、節々に伺える。まさに本気の作品である。
そして『ポケモン』という名前だけに頼ったゲームでは決してないことも確か。それは、この作品が本家ポケモンとはまるで違う趣に仕上げられたものであることが何よりの証拠だろうと思う。
少し買い被り過ぎかも知れないが、しかしここまで言っても良いほどの価値がある。
続編である『時・闇』も、この『赤・青』の流れを確かに受け継ぎながら、それでいてさらに異なる、新しい側面が見られるゲームのようなので、未プレイの身としては、これからプレイするのが楽しみで仕方がない。