花を中心に、それを取り巻く虫や鳥、そして魚たちを幅広く紹介するデータベースソフトです。
基本的には画像を見ながらテキスト文を読む、タイトル通りの「図鑑」ですね。
が、人というものはゲーム機を手にとるとボタンなどをむやみに押したくなる生き物。
本作はそんな点も考慮してか、タッチペンのみでもボタンのみでも全ての操作が出来るようになっており非常に快適です。
画像のほとんどが立体写真となっていますが、なにせ3D写真機の存在そのものがごく最近のものであるため、
その大半は過去に撮影された2D写真(左目用に使用)を加工して右目用の画像を作成・合成して
立体撮影した写真であるかのように擬似的に見せています。
アメンボ等の水面反射処理、魚類のヒレ等の半透明処理などはさすがに手作業での加工は無理があったと見えて
若干不自然な質感に見えますが、その他はおおむね説得力のある立体感を表現できているのではないでしょうか。
ショウブの黄色い穂などは、表面の細かいケバケバのひとつひとつまで丁寧に立体感を出しており担当者の執念を感じさせます。
花の検索の仕方はユニークで、花の色・形・大きさ・全体の形・背丈 等の項目で絞り込んでいく形式になっています。
「花カメラ」での撮影検索機能というものもありますが、これは補助的なものにとどまり、
花の色と大きさを認識してくれる程度で、最終的にはやはり絞り込み検索に頼ることになります。
花の現物が無くともそこそこのイメージが脳内にあれば何とかかんとかお目当てのものに辿りつけるかと思われます。
私もこれで、小学生のころ帰り道で見つけては蜜を吸っていた謎の紫色の花が
「ムラサキツメクサ(赤クローバー)」だという事をようやく知ることができましたw
鳥や虫は大きさや色・分類をはじめ鳴き声でも検索ができ、
うるさい・変な音・不気味・キーキー・ピヨピヨ 等、ざっくりとした分類から探す事が出来ます。
この「鳴き声ビュー」では立体動画とともに字幕で鳴き声が表示されます。
「デデー ポーポー(キジバト)」などと表示される様はなかなかシュールなものがありますw
「いきものリンク」はその花・生物の相関図になっており、
捕食・類似・由来・生息環境・そして関連コラム等で繋がれたリンク先にすばやくザッピングできます。
さらにこの生息環境ビューでは、3DCGで作られた街中や田畑などに立って
ジャイロセンサーを利用して360度を見まわしながら野に咲く花や草の中に潜む生物にリンクすることができます。
ホームページでのロングインタビューは伊達じゃなかったんだな、と思わせてくれるやたら気合いの入った一品です。
が、逆にいえば、これほどのクオリティに仕上げてやっと「ゲーム市場」に敵う商品になる、という
厳しい現実を垣間見た気もします。
他社ではここまで作り込むことは出来ないでしょうし、またこれ以下の出来栄えでは売れないでしょう。
任天堂ならではの作品に見事に仕上がっていると言えます。
これからの辞典・図鑑の新しいスタンダードになってくれたら楽しいな、と思います。