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本書は、それまでの長編に多く見られた特異な舞台設定、旧家の因習など派手さに於いては欠けますが、トリックありき・トリック重視の創りではなく、あくまでもストーリー重視な作品となっており、確り地に足を着いた、現代性を備えた骨太な推理小説となっております。
あらすじ、トリックについては割愛しますが。
かなりボリュームのある作品ですがテンポも良く随所に張られた伏線を読み解きながら読み進められるので充実した時間を過ごせると思います。(やはり氏の複線の張り方の妙には圧巻させられます。)
最後に犯人と対峙する前にきちんと事件の背景を読み解くヒントを提示しています。それを読者が確り読み解けるかどうか。
(推理小説に馴れ親しんだ方々には驚きこそ少ないでしょうが、私が読んだ中学生時には、教えられる事が多かった。)
先ずは、戦後初期の代表長編から読んで頂くのが良いとは思いますが、その後、本書も決して外す事無く触れて頂きたいと思います。
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