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13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「昆虫」という視点で解き明かすユニークな仮面ライダー像!,
By TKMT (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 仮面ライダー昆虫記 (単行本)
現在「ファミリー劇場」で仮面ライダーストロンガーが放映されている。リアルタイムで見ていないせいもあり、毎回の放映を妙に興奮して見ている。ブラックサタンからデルザー軍団へと敵組織が変化しまた敵組織内での権力闘争が激しかったことなど、ストロンガーと奇怪人との単なる戦いというワンパターンに終始していないという点も面白い。それはさておき、本書は雑草生態学を専門とする著者独自の仮面ライダー分析が「昆虫」という視点で見事に描かれており、興味が尽きない。V3は「バッタ」ではなく「赤とんぼ」をモチーフとしとんぼはバッタほど脚力が発達していないために、V3のキックには様々な工夫が施されていること、ライダーマンのモチーフが「かまきり」とすれば、V3の赤とんぼと併せてそれは日本人の原風景を反映していること、Xライダーの由来にはそれ以前の仮面ライダーが何人存在するか分からないという(したがって未知数のX)神博士の意図が含まれていること、そしてストロンガーは実は「カブトムシ」ではなく「アブ」がモチーフではないかという推察など読ませる内容が多い。9号ライダーであるスーパーワンの名称に関する考察も説得力があると感じた。但しこうした著者の論述を支える基本的な認識を忘れてはなるまい。それは「地球を守ってくれた仮面ライダーのモチーフたちでさえ、私たちの身近な自然から姿を消しつつある」(192頁)という危機意識である。「あとがき」で強調されるように、仮面ライダーは「人間にとって科学とは何か?科学とはどうあるべきか?」という深遠かつ巨大な現代的テーマを背景に持っている。著者は科学を利用する人間の「心」の重要性を、仮面ライダー分析を通じて我々に教えているのだ。「逆風こそ、仮面ライダーが変身するエネルギーの源なのだ」(196頁)という現代人にこそ聞かせたい示唆に富む文章を最後に残したい。お薦めの一書である。
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