地震は従来考えられていたように地殻に蓄えられた歪みのエネルギーによって引き起こされるのではなく、地中に存在する水と金属が反応することによって発生した水素が核融合を起こして引き起こされると主張している。
トンデモ本かと思ったが、GPSによる精密観測によりプレートに歪みが蓄えられていないことが明らかになったことや、震源が断層に沿って帯状に存在するのではなく一点であるといった従来のプレートテクニクス理論の明らかな矛盾点から始まっており無視できない。
核融合の話に行く前に、アメリカの Randell Mills 博士の提唱している BlackLight プロセスという 水素原子の電子を基底軌道よりもさらに半分まで下げることによって巨大なエネルギーを取り出す方法を紹介している。これを使うと通常の水からさえ大きなエネルギーを取り出せるそうで、Mills 博士はBlackLight Power, Inc.という会社を設立して装置を開発している。
核融合を引き起こすには高温高圧状態が必要だが、地中で発生した水素が核融合爆発を起こす際にこのBlackLightプロセスが鍵になっていると著者は考えている。
常温核融合でよく使われるパラジュウムに水素を吸収させる方法には本書では触れていない。
電子の振る舞いなんて既に十分理解できていると思っていたが、そうでもないようだ。標準理論から外れた話はなかなか伝えられない。著者は技術者として、エンジン開発の中で異常な発熱現象を経験したことがあるそうで、こういった経験があったからからこそBlackLightプロセスのような評価の定まっていないような理論にも注目したのだと思う。
著者は、徳山ダムが建設されたため濃尾地方をダム誘発地震が襲うのではないかと予想しているが、これは中部地方でのダム建設と地震の記録から高い相関関係が見つかったためだ。地震が地中の水が元になった核爆発だとするとダム建設によって断層のないようなところでも地震が起きることになる。 徳山ダムは2008年4月に満水になったので地震が発生するならそろそろだろう。
常温核融合の実験では再現性が非常に低いことが難点だが、もし地震が地中での核爆発ならかなり再現性の高い実験ができそうに思える。著者は色々な資料を集めて考察しているものの自分では実験をしていないようだ。これが本書の最大の弱点だろう。