東京への攻撃を深刻に受け止め、日本政府も、遂にテロ対策に本気になる。毒物混入、電力供給の遮断、さらには原子力発電所の破壊。ありとあらゆることを想定して対策を練る。議論の内容もさることながら、内閣総理大臣が実際には総理の座に手の届かなかった安倍晋三の親父さんという設定がなんとも面白い。
一方、警察は、非公式に田上連合に治安維持の協力を申し出る。自衛隊に頼むくらいなら暴力団に頼んだ方がマシという警察の判断。それほど自衛隊は警察にとって鬱陶しい存在なのか..
そんな話が裏で進められているとは知らない丈二は、既にチンピラ相手に治安維持をやっていた。素人相手に一方的に無茶な追い込みをするチンピラを教育するため、手や足を銃で弾いて軽傷を負わせる。20歳までなら無茶やっても許されると思ったら大間違い。追い込みをかけたら逆に追い込みをかけられる覚悟がなきゃ、命を落とすぞ!、と若い者を叱り飛ばす。
そんな丈二のところへ千葉から援軍が。阿久津組に政岡が合流する。これで江原成敗の戦力が整った。
大森を裏切った江原の周りはもう敵だらけ。これで江原の命運も風前の灯のように見えた。ただ気になるのが志村。混乱に乗じて志村は動く。かつて破門になるところを丈二に助けてもらったにもかかわらず丈二を憎み続ける厄介な男・志村は、丈二を犯人に仕立てあげて、田上連合の中山・工藤を殺害するという恐ろしい計画を立てる。それは山崎を殺した江原と全く同じ考えだった。どこまで行っても、海江田組は、こういう運命なのか?
そして、潮の元彼女・春香は、潮の身を案じ、身体を売ってまで潮の居場所を知ろうとするが、教えてもらった番号の電話はつながらない。江原・潮、いずこへ?
この巻では、テロ対策の話が面白い。このシミュレーションを見れば見るほど、日本の防衛能力に限界を感じる。防衛力をいくら増強しても、狭い島国の日本が戦争で勝てるわけがない、と思い知らされる。どうせ戦争したら負けるのに9条改正して攻められるリスクを増やすメリットとは? 今後防衛力を増強するとしても、今の自衛隊を少し強化するくらいが限度で、それ以上は逆効果だろう。