「この療法には、効果があるのか?ないのか?どっちだ?」
この視点が貫かれた一冊です。
代替医療は、概ね「現代科学とは相容れない理屈」を持っています。
「どのような検査をしても発見できない『経絡』というものが体にはあって、世界中の誰も見たことのない『気の流れ』を整える鍼」
「有効成分は全く入っていないのに、『水がその成分を記憶しているから』という理屈で、『効果を発揮する』レメディー」
などなど…
このような「現代科学とは相容れない理屈」によってなされる「療法」は、「科学的根拠はないが、実際に効果があったのだ。科学で何でも割り切れると思うな」と反論します。
「科学では扱えない事柄を、私たちは特別な知識と技術で扱っているのだ」という話。
「科学では扱えない事柄」ですから、科学のメスは入りようもありません。
そこでこの本は、「理屈や理念はどうあれ、本当に効果があるのか?を、確かめてみよう」という態度で、様々な療法に迫っていきます。
実際に、現代医療においても「なんで効くのかわからないけど、効いているので使ってる」というものはあったりします。
つまり、この本で盛んに言われる「根拠のある医療(EBM:エビデンスベイスドメディシン)」とは、「理屈はさておき、効果が実際(客観的)に認められるならそれでよし」とする態度のことを指します。
「代替療法をバッサリやる本」ではなく、「EBMとはなんぞや?という本」として読むべき一冊だと思います。
この本によってバッサリやられた療法を信じている人たちからは、いくつかの否定的な見解や反論が見られますが、それらのほとんどが「科学で何でも分かると思ったら大間違いだ」という的外れなものや、「実際に効果があった人がいたのだ」という、単なる体験談を並べたものばかりということに注意。