この本は、群・環・体などの基本的な代数系の基礎知識を得るのにもってこいの良書である。有理整数や多項式環などの基本的な性質から始まり、ガロアの理論まで学ぶことができる。
この本の特徴は、講義風の書きっぷりになっていることである。初学者が、抽象論を抵抗なく理解できるように豊富な例を引き、随所に的を射た視点を示唆し、発展の展望や陥りやすい過ちの反例を引くなど、たいへん丁寧に読者を導いていってくれる。
また、問題が多いのも特徴で、本文中にも読者の考えを深めさせるために読者に証明をゆだね(ほとんどの場合、ちょっとした努力で解決可能)ながら話が展開されていく。章末の問題も含めて、できる限り繰り返し読み、自力で解くことをお薦めする。
初めて学ぶ人、他の代数系の本で挫折した経験のある独習者には、特にお薦めの本である。