120ページのコンパクトな本で、1章が群の理論、2章が環の理論となっている。
群では、巡回群、対称群、2面体群,準同型写像、剰余群などの基本概念が、簡潔に
解説されている。
環の部も同様。
叙述は、簡にして要を得ている。
けれども、群と環についての、イメージがないと、叙述の内容を十分に把握するのはなか
なか難しい気がする。(アマチュアのシニアにとっては)
グラフや説明図が、ほとんどないので、文字記述だけから、中身を想像することになる。
授業では、たぶん、黒板に図を書いて、教師が定理や定義の中身を解説することができる。
読者は、もっぱら読むだけなので、すこし余計な知識が必要なようである。
本書は教科書として、学部3年生の1学期を予定している。
というわけで、群と環を知っている友人と一緒に読むとか、読み方に工夫がいるように思
われる。
なお、薄い本なので、定理や定義、また例をすぐに参照できるので、1冊購入して、持って
いるのも、悪くはない。
☆2011年3月20日追加修正
おなじ著者の「代数学3」を買ったので、また準同型写像を中心に読みなおしてみた。
前の印象とは少し違って、コンパクトな記述だけれど、じつに明快にわかりやすく書いて
あることがわかった。
それに親切な補注が付いている。
群のある要素についての関係が、群全体についての関係になることの補足(p.4-p.5)など
がその1例。
また、独学者の素人には、剰余類や剰余群のところが、割り算記号を使うせいもあって、特に
わかりにくいのだが、本書の説明は相当に、わかりやすいものだと思われる。
そのため、評価を星5つとした。