未亡人であるジュディスは屋敷を修道院に寄付する際にひとつの条件をつけた。それは毎年聖ウィニフレッド祭の日に屋敷に咲くその年最高のバラ一輪を受け取ること・・・。
この作品はその「バラ」をめぐる物語。たかだか一輪の花だが、複雑な権利、欲望が絡み合って殺人が引き起こされてしまう。そしてジュディスがラストに受け取るものは・・・。カドフェルシリーズは何らかのラブ・ロマンスが常に描かれている。作者のサービス精神が発揮されているのだけれど、どうにも若い、青春の男女の恋愛が多すぎて・・・まあそれはそれなりに良いものではあるが。夫と子供を喪った女性、ジュディスがヒロインのこの作品では、純粋な激しい恋愛ではなくて、静かな穏やかな愛が描かれます。