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他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス 〈新装版〉
 
 

他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス 〈新装版〉 [単行本]

若泉 敬
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

「有事の核持込みを容認する」。沖縄返還実現のためには、この方法しかなかった! 佐藤首相の密使として交渉にあたった著者の告白。

内容(「BOOK」データベースより)

日米最大の「密約」沖縄への核持ち込みを容認した佐藤・ニクソン極秘合意議事録とは?佐藤首相の「密使」として交渉にあたった著者が明かす密約成立までの全ドキュメント。

登録情報

  • 単行本: 632ページ
  • 出版社: 文藝春秋; 新装版 (2009/10/29)
  • ISBN-10: 4163721908
  • ISBN-13: 978-4163721903
  • 発売日: 2009/10/29
  • 商品の寸法: 21 x 15 x 3.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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50 人中、47人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Cineman トップ50レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本|Amazonが確認した購入
 先日NHKの特集を見ました。著者の若泉敬氏の、沖縄返還までの道のりと、返還後の苦悩について克明にトレースされていました。
私はこの番組を見て、「若泉敬」という一民間人に興味を抱くと同時に、現在の我々日本人が喪失してしまった何かを感じました。私はこの何かをはっきりつかみたいと思い、若泉氏の本著作を読みました。「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ズ」は陸奥宗光の外交秘話「蹇蹇録」の中から採った一節だそうです。当時の沖縄返還に関わる密約で、基地問題等に関し、現在の状況のようにせざるを得なかったことがうかがえます。沖縄の「痛み」を日本の「痛み」として血肉にし、そこに殉職していく若泉氏に尊敬の念を抱きました。現在の日本人が喪失しているものが何なのかつかめた気がします。日米関係を相似形とした日々の煩わしい人間関係への配慮や、経済的な思惑から離れ、理想を追う姿、正しさ・優しさを追う求道者としての若泉氏の姿、これこそが現在の日本人に欠けている姿勢ではないでしょうか。
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26 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 最初に刊行された際は、店頭でその大きさに驚き、最初の1,2頁に少し触れただけで、これは縁ないわ、と戻した。いずれ、暇になったら、程度の感興だった。読後した今になって顧みれば、著者に対して実に無礼な話で愧じている。
 刊行後、読書界でもほとんど問題視されなかった。そして、ツンボ桟敷に置かれていた外務省関係者は、同著を無視したのである。この狭隘さこそが、宰相佐藤栄作をして若泉を重用した所以の一端でもあろう。 若泉に口火を切ったのが、栄作の意を受けた当時の自民党幹事長福田康夫。二人とも官僚出身であるところが興味深い。官僚出身者として外務官僚の生理を良く知っていたから?
 なんせ厚い。枕頭に置いての遅々とした読みは、夏前から10月末まで。酷暑の夏はほとんど読書を止めていた。その間に、NHKから若泉の取り組みや、その周辺についてのドキュメンタリー番組が何度か公開された。その中身は自決した若泉の心象風景まで及んでいる。この著作内容の評価などわたしには思いもよらないが、いのちを賭した取り組みは鬼気迫る。NHKの番組で紹介された解禁されたNSCの決定文書から見ると、実際は、米側の親友ハルパリンに裏切られているが、両者の国事としての真摯な取り組みは伝わってくる。
 返還成立後に、栄作はノーベル平和賞。若泉は、後年、米側にいいように使われていた側面を識ったからだろうか。以後、世に出ず、あげくに自死である。この落差。
 しかし、彼の隠密の活躍には占領基本法である現行憲法の制約下での外交がある。栄作の思惑と若泉の取り組みには立場から来る違いがあるものの、それなりの呼吸が合っている。合っていない部分から類推されるのは、なぜ栄作が当時にあっては不可能と言われた沖縄返還に取り組んだのかの理由だ。昭和天皇のご宸念であったと推察される。その気配を感じさせる二人のやりとりでは、若泉は栄作に違和感をもっている。この世代の差は興味深い。一面で慄然とする側面でもある。栄作の信を若泉は共有していないようだ。それが後日になって、孤立感を深めた理由のかなり大きいものでもあるか?
 栄作の死後に、この著作をまとめるために栄作日記を若泉は読む。そこでも幾度か、記述に違和感をもつ。ここにも二人の立ち位置の違いがある。記述しないことの重さに若泉が必ずしも気づいていない面である。対米交渉の折々での彼の苦労の記述の無いことに不本意であることを記している。後世への目配りでは、栄作の方が上であったように感じた。その面を若泉が共有していたら、あるいは違う人生の歩みがあったのでは、とも感じた。
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56 人中、48人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 本書は15年前に一度出版されたことがある。核持込みをめぐる日米密約の存在の暴露という驚くべき内容を含むところから、日米安保体制にまつわるさまざまな密約の存否を巡る論議に大きな衝撃を与えたのは事実だったが、著者が一私立大学の教授の地位にありながら内閣総理大臣の密使を務めたという経緯に、何か不自然さ、有り体に言えば胡散臭さが感じられたからか、それとも時の権力による何らかの力が作用したからか、広く国民一般の注目を引くには至らなかったように思う。
 しかし、15年目にして情勢は大きく転回した。自民党政権は崩壊し、鳩山内閣の岡田外務大臣は米軍の核搭載艦船の日本通過・寄港を黙認してきた「核密約」の存在を認める方針を固めたし、西山太吉・元毎日新聞記者らが沖縄返還に伴う日米両政府間の密約文書の開示を求めた情報公開訴訟では、交渉責任者だった元外務省アメリカ局長が密約の存在を肯定した。
 これらの事実は、いずれも本書に書かれていることを「追認」するものであり、本書の資料価値が確固たるものであることを裏付けた。今後の普天間問題や経済面などにおける日米交渉の展開を占う上でも、示唆するところの多い書である。
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