この時代を『不安な時代』と称する人たちが多い。
景気や雇用の問題はあれど、ふと見渡せば便利な道具に溢れているし、食料も豊富にある。
諸事情の問題で、今、飯が食えていない人は別として、
普通に生活ができている人までもが、なぜ不安に思うのか。
それは目指すべき指針がはっきりとしていないからだ。
戦後の日本は復興の名の下に、豊かになること、経済大国になること、発展することという明確な目標があった。
正しいと思うことを疑わず、突き進むパワーが不安を解消してくれていたのではないか。
東日本大震災から、日本人が考えるべき意識が変わってきたように思う。
人は明確な目標があり、それに伴う幸せを感じることができれば行動力を発揮する。
政治家の方々も頑張っているとは思うが、どうも批判を恐れてはっきりとした方向性を打ち出さない人が多い。
そこに一石を投じたのがこの本『他助論』である。
様々な歴史とエピソードを交え、そこから学ぶ考え方をそのまま提唱するのではなく、これからの未来を見据えてアレンジしているところに感服する。
かつての知恵である『自助』から、未来に向かっての『他助』へ。
個人が生きることに必死になる時代は終わった。自分のことばかり考えていたら、豊かになるにつれ欲は薄れていくばかりだ。
欲を否定してはならない。何よりの人のパワーになるからだ。
その欲を、誰かのために使うこと。
それがこれからの時代の指針ではないかと思う。
詳しくは本を読んでほしい。
読書する理由は様々だろうが、気分転換にも、思い悩んでいる人にも、すべてを網羅するひとつの答えがここにある。
こんな本には、なかなか出会えない。