今までいろいろな本で書かれているように、構造改革とは、アメリカが日本から国富を収奪するための工作の一つである、と著者は断ずる。
郵政民営化により、個人が株式市場に殺到するお膳立てが出来上がった。著者によると、それは2010年頃に訪れる。米系ファンドは、株価をまず叩き、下げきったところで買い漁り、日本人に高値で売りつけるというシナリオが出来上がっているという。
米系コンサルタントや監査法人はアメリカの諜報機関としての役割を持ち、国際会計基準に対処するため、助けを求める日本企業の情報を、根こそぎアメリカに持ち帰り、企業スキャンダルや、システムの脆弱性を狙った工作のネタとして用いている。
何でもかんでも陰謀と言う気はないが、この書を読むと、創られた危機、創られた構造改革、そしてお膳立てされた保守回帰路線によって、アメリカが世界の富を吸い上げている構造が浮かび上がってくる。
やれ、ハードウエアが古くなった、ソフトのメンテナンス性が悪くなった、現在のトレンドはWeb化だと言っては、本当のところは投資対効果も測れぬ情報システム刷新に、巨額の金を注ぎ込むのに良く似ている。まさに著者の言う、創造と破壊のプロセスの繰り返しである。
アメリカが背後で糸を引く、意味の無い創造と破壊のために、多くの人が死に、多くの人が馬車馬のように働き続け、なけなしの富を収奪されているのだ。
本書には、アメリカの富の収奪に対して上手く立ち回るための方法が書かれている。人的ネットワークを創り、アメリカの「奥の院」(建国以来続く少数のパワーエリート達)に対抗しようというのだ。
あるいは逆に、アメリカにすり寄る事によって、利益を得る事も可能だ。しかし、そのような人々に対して著者は次の言葉を贈っている。「狡兎死して走狗煮らる」