柳井氏の話が読みたくて買ったが、藤原氏の話も負けず劣らずおもしろい。
ドラッカーの本は、「
ドラッカー名著集11 企業とは何か」ぐらいしか読んだことがないが、柳井氏の指摘するコンテクストで初めてなるほどいいことを言っていると理解できる。
例えば、ドラッカーの世界観については、「人間が幸せであるためには社会の発展が必要で、その役割を担っているのは国や政治ではなく「企業」だと考えた」とし、重要なキーワードとして「企業の目的は、顧客の創造」、「知識労働者」、「明日の組織のモデルはオーケストラ」などが挙げられている。
柳井氏は、知識労働者たらんとすれば、「一つの仕事を少なくとも10年は続けて、自分なりに知識や技術を磨く必要がある」と言っている。
そうして知的労働者になってしまえば、簡単に企業は首を切れるわけがないというのは真理であろう。
藤原氏の話も相当おもしろい。
リクルートを辞めたことは知っていたが、辞めた遠因は、30歳頃にかかったメニエール病であるとのことだ。
体力に自信のあった同氏が、それをきっかけに人生を見直し、飲み会を断り、様々な生活面の見直しをして、その後、縁あって教育界に乗り出したと言うことだ。
「ドテラ」(土曜寺子屋)、「夜スペ」(夜スペシャル。授業に飽き足らない「吹きこぼれ」の子向けに学習塾と提携)であるが、新聞報道でちらちら見る程度であったが、何を狙いとしているかは本書の説明が一番分かりやすい。
公立校、教育というルールにがんじがらめっぽい世界にこういうアプローチがあったのかと瞠目する人が多いのではないだろうか(私もその一人)。
また、「こどもたちのためによいと思ったらすぐやる」という藤原氏と旧来の「待ち」の姿勢の教師との衝突が痛快である。。
なんにしろ、大した人であるし、こういう人に目を付けて、さっそく知恵を借りようという大阪府の橋下知事の感度も大したものである。
なお、赤木かん子さん(児童文学評論家。その世界ではカリスマだそうだ)の監修で和田中の図書室を改良する話が出てくるが、「
この絵本が好き!〈2008年版〉」で彼女が紹介している本に強く賛同したこともあり、興味深く拝見した。