本書では、「ストレスは良くないもの、避けたいも」という考え方を一歩こて、ストレスに正面から向き合うことを主眼に置いた対処法を提案しています。
ストレスにうまく適応できなかった人の生活は悲惨です。
酒におぼれ、家族に暴力をふるい、職場でますます敬遠され、中には会社を解雇されて配偶者からも離別(離婚)されてしまい、追跡調査できなくなるような人もいます。
マッディたちは、単にストレス状況を観察するだけでなく、ハーディネス理論に基づいたカウンセリングやコーチングも実施しました。
最初はストレスから逃げていた人も、研究チームのアドバイスを得て、やがてストレスの原因や自分の行動を見つめなおすようになります。さらに、自分がどのように行動すれば現状を変革できるかを考え、実際に一歩踏みだすところまでくれば、解決まであと少し。
自己変革を成しとげた人々が語る成功の物語は、読んでいて気持ちいいです。学術的な香りのする本書を退屈せずに読み進められるのも、この体験談のおかげでしょう。
その魔法のようなハーディネス理論は、キーワードだけを並べてみると、「ふーん」という簡単なものです。
でも、みずから実践するとなると、どうでしょうか。やはり心の底から納得しなければ実践まではおぼつきません。そのためにも、本書の理論や体験談の熟読が有効でしょう。
現代社会は変化の多い社会であり、ストレスを避けることは不可能である。ならば、立ち向かっていこう、というのが本書の出発点です。
しかし、人間関係のストレスのように、変化の多い職場でも、変化の少ない職場でも発生するストレスもあります。
「苦手なあの人とあと○年も同じ職場かぁ」などと慢性的なストレスに悩まされている人も、本書に示すようなハーディネス手法は有効かもしれません。
本書をじっくり読んで、ためしてみてはいかがでしょうか。