本書は筆者のインテリジェンス・オフィサーとしての経験に加え、欧米の情報分析論が盛り込まれた本格的な情報分析のテキストである。タイトルは新書ゆえにややくだけたものであるが、その内容は単なるハウツー本ではない。
情報機関が情勢判断を見誤るのは、大抵の場合、情報がなかったからではなく、情報分析の不十分さにあるという。人は常に自分に都合の良い仮説を立てたがるから、その分析は当てにならないことが多い。本書はどうすれば先入観に囚われず客観的な情報分析ができるのか、様々な方法が紹介されている。これらの情報分析手法は実際に欧米の情報機関で行われているそうであり、これだけのノウハウを学ぼうとすれば英文のテキストを何冊か読み込まなければならないだろう。本書はそのような手法が1冊に簡潔にまとめられており、文章も平易で読みやすい。
我々のような素人には、CIAなどが実際にこのような分析手法を使っているという事実も知ることができて興味深いものがある。