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11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
シリーズの転換点,
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レビュー対象商品: 仔羊たちの聖夜(イヴ) (角川文庫) (文庫)
『彼女が死んだ夜』『麦酒の家の冒険』につぐ本格ミステリーシリーズの第三弾。前作まではこの作品からより深く描かれる『本題』のための準備段階ともとれるのではないか。そういう意味ではこの作品が、シリーズの転換点といえるだろう。探偵役もそれまでのタックからタカチに変更。キャラ(特にタカチ)の抱えている問題がしだいに明らかになっていく。仲良し4人組の人間関係にも微妙な変化が見て取れるこの作品。読むためにはやはり前2作を読んでからの方がよいだろう。そしてこの後の長編『スコッチゲーム』『依存』へと読み進めれば、このシリーズで作者が語りたいことが見えてくるはずである。それから、この作品でも作者のミステリに対するスピリットを感じることができる点も忘れてはならない
5つ星のうち 3.0
自己欺瞞を生み出す「傲慢さ,
By h - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 仔羊たちの聖夜(イヴ) (角川文庫) (文庫)
一年前のクリスマスイヴ、ある女性の転落事故を目撃することからすべては始まる。自己を省みることがない傲慢さを押し付けることは、自己欺瞞を生み出すことでしか解決をしないのでしょう。「秘密を持たないということは健全な自我が確立されない、という意味ですよ。子供が秘密を持つのを禁ずるのは、その子供が健全に成長するのを邪魔するということなんだ
5つ星のうち 4.0
《匠千暁》シリーズの第三長編,
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レビュー対象商品: 仔羊たちの聖夜(イヴ) (幻冬舎文庫) (文庫)
タック、ボアン先輩、タカチの三人が初めて会った一年前のクリスマスイヴ、彼らは女性の転落死に遭遇する。 一年後の現在、転落死した女性が持っていたクリスマスプレゼントとおぼしきものを ボアン先輩が事件の際に拾っていたにも関わらず、その存在をこれまで忘れていた ことが判明する。タカチは、タックとともに遺族を捜し、「プレゼント」を届けることに。 その過程で、二人は五年前のイヴにも、同じビルで似たような 転落事件があったことを知るのだが、今度は、彼らの身近で……。 主要人物達の出会いのエピソードが描かれる本作。 ミステリの趣向としては《ミッシング・リンク》、作品のテーマは「親子の相剋」 ということになりますが、その二つは密接不可分の関係にあり、ミステリとして の仕掛けに、作品のテーマが色濃く反映したものとなっています。 結婚を控えた人や志望校に合格した人といった、傍目には「幸福」 に見えた人達が、なぜビルから転落しなければならなかったのか? そして、彼らがそれぞれ持っていた「プレゼント」に込められた意図とは? 聖夜(イヴ)という舞台が設定され、章題が「××の巡礼」で統一されている ことを踏まえると、本作は一種の宗教的寓話であるといえるかもしれません。 また、純粋にミステリとしてみるなら、周到な構成に唸らされます。 まず、最後の事件である第三の事件の真相を提示し、すべての謎が解かれたと 読者を油断させた後に、最も凄惨で、衝撃的な第二の事件の真相を突きつけて くる手際が秀逸でした。 最後に蛇足ながら。 本作の登場人物たちはシリーズを通して内面的に変化や成長していく存在です。よって、 彼ら自体が、ミステリの仕掛けの変数となっていることを念頭において読むべきだと思い ます。
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