良くも悪くも「自分」を出しすぎていると思う。通説にのらずあくまで自分の理解したところの仏教や名僧について、やさしく語っているのは共感できる。たとえば「仏教は正しさを追求するものではない」のだから皆が幸せになれればそれでいいんだ、とか、「お釈迦さまの本質、それは慈悲の人」だから知的な面はそれほど重要じゃないんだ、と言い切ってしまえる確信ぶりは素晴らしい。教団に所属している僧侶や仏教学者ではなかなか口にしずらいことが、他にもいろいろと書いてある。けれど自分の身辺の感動話や体験談をやたらと感傷的に語るのはちょっと気になる部分で、とくに本人の講演会に寄せられた「感想文」(著者をほめたものが多い)を掲載してしまうのは「はあ?」という感じだった。「自分」にこだわりすぎである。仏教らしくない。