「空前の仏像ブーム」だそうです。メジャーな阿修羅像だけでなく、マイナーな迦楼羅(かるら)が好きという人も、千手観音のもっている「あのアイテム」がなにかと気になって悩ましい人にも、応えてくれる本だと思います。
いきなりメインディッシュが始まっている帯が、普通じゃないです。「白毫 慈悲の光を放つ、眉間にある白毛の渦巻き」という説明、怪しい目の如来(髪型から察するに薬師如来か?)のイラストが味わい深く、衝動買いしてしまいました。(帯、じっと見ていると、そのままレジにいってしまいかねないので、目を合わせないようにご注意!)
手元にある山川出版社の『文化財の見方』、数年前の『仏像のひみつ』と比べて、本書の特徴を挙げるとすれば、テキストがコンパクトなのにかゆいところ、知りたいところに手が届いていて、いい感じです。山川は教科書の延長のような乾いた記述ですが、本書は週刊『古寺を巡る』をまとめたものなのですね。読みやすく、仏像の細かいアイテムをほぼ漏らさず説明してくださいます。是非比べてみてください。
なお、イラストは、如来や明王のお顔が、特徴あるかき分けがされていて、うれしいです。が、少年ジャンプの人気キャラのような妄想を呼びます。虚空蔵菩薩、帝釈天、毘沙門天はNarutoやBleachに出てきそうですし、井上雄彦の作品に出てきて三点シュートを決めてくれそうなお方もいらっしゃいます……八部衆とバスケをやったら、甲冑の重さはハンディになりそうですね……
チベット人のマニ車のように、この本をぱらぱらとめくるだけで御利益あり?ということはないでしょうが、尊崇の対象への敬意も隅々に感じられて、楽しくさわやかに読める本でした。著者おすすめの寺院リスト(大観光地だけでなく、渋いところもあり!)がなかなかいけてます。