この4月で介護保険が創設されて10年が経過した。
紆余曲折はあったものの、創設時の高い志によって生み出された制度が、制度を悪用する事例やコストの増大への懸念から、見直しされるたびにどこかゆがんだものへと変質していくさまがありありと描かれている。
とはいうものの、この10年で介護をする家族にも、また介護をされる高齢者にも、プラスの効果が大きかったと著者は評価している。
事実、妻の両親もこの制度の恩恵を受けているが、介護保険がなかったら家族の負担の大きさはどれほどのものになっていただろうかと思う。
最終章で著者が提言している五つの項目など、制度の改定に関わり、また現場を見てきた著者だから言える説得力のあるものとなっている。
本書をきっかけに、制度発足時のあの高い志を再び取り戻すきっかけになればと思わざるを得ない。