前半は日常の介護で幾分びっくりするようなエピソードが書いてありますが、日々の介護日記として綴ったものではありません。
本書は、どちらかというとこれから介護の仕事に携わろうという若人への基本的な心構え、または、実際の介護現場で壁にぶち当たり逡巡している人に対して、幾多の現場を渡り歩いてきた著者、介護プロからの生のメッセージです。
もちろん、介護老人をもつ家族に対しても語りかけており、考えさせられ参考になるでしょう。
本書は決して介護マニュアルではありません。そのため、介護に対してケーススタディーを示してありますが明快な答えは書いていません。また、こういった場合こういう処置をしなさいと決め付けているものではありません。
ひたすらに介護に対するマインドを暗に伝えているものです。
そこから咀嚼してモチベーションを高めていくのは読者自身の力に依存するものと思います。
そのマインドとは、キーワードは”本音で立ち向かいなさい”ということ。
本音で心と心のコミュニケーションをして介護老人と付き合いなさいといったところでしょうか。
本書を読んでから、「こういった場合、あなたならどうする?」ということを考えさせられ、ずいぶん余韻が残るものでした。