認知症の母親の介護に疲れ、09年4月に自殺した清水由貴子の実妹によるノンフィクションの手記。
母親の介護を自分でやることを決めた姉とのやりとりや、自殺当日の模様までを辿っている。
その文章の合間合間に、カラー写真で清水由貴子の数々の遺品が掲載されているのだ。
デビュー後にファンから贈られたスナップ写真、愛用していたギター、母にプレゼントした品物、
家族が由貴子に贈ったプレゼント、彼女自身の趣味のコレクション、家族写真などなど。
そして趣味で続けていた絵手紙、そこに込められたメッセージ。
幸せだった頃の清水由貴子の様々な姿が浮かんでくる、暖かな記録の本でもある。
肉親の死を記録に残すことは、遺族にとって非常に辛い事だろう。
実母の介護に耐え切れず、鬱で死んでしまったのなら尚更だ。
しかしそうした苦しさ、哀しさを乗り越えてこの著書をしたためた背景には
「もうお姉ちゃんのような人を出してはいけない。介護はひとりで背負い込んではダメ」
という清水良子の強い願いが込められているように感じる。
姉の自殺当日の様子に触れるページには、未送信だった姉・由貴子の携帯電話のメールが
液晶パネルに表示された状態でそのまま載っている。
“母ちゃんを連れていく事許して下さい”…随所に泣き顔や手のひらの顔文字を織り交ぜた
その哀しさ溢れる彼女の最後のメール文が強く印象に残る。