中学生の時に受けた壮絶ないじめを機に激動の半生を送ったが、猛勉強のすえ弁護士となり、主に少年事件で活躍して、私生活でも目出度く再婚したが、今度はダウン症の障害児を授かってしまう。
赤の他人が見てもどうして著者にはこうも不幸がつきまとうのかと思ってしまう。しかし本書はダウン症の娘悠(はるか)ちゃんとの日々を中心に主に弁護士となってからの出来事が、ときにユーモアをまじえながら前向きな筆致で書かれている(「だから、あなたも生きぬいて」とかぶる部分もあるが)。
そして著者は「いまの私たちにとって一番の幸せは、家族そろっておいしい空気を吸って、ゆったりと流れる時間をともに過ごすことです。これさえあれば、あとはもうなにもいりません」と言い切るに至る。かつて誠実なゆえに愛情に飢えていた少女は今や人一倍愛情豊かで最も人間らしい大人になられたと思った。