素晴らしい。何の衒いも恥じらいもなくこんな安っちく浅薄なブツを出版できるとは。恐れ入る。
1ページ1ページめくるたびに苦笑に伴い、憎悪にも似たものがこみ上げてくる。はっきり言って中学生が文化祭の出し物で作った同人誌レベルである(しかしながら「中学生がつくったかどうか」という点においてみては遥かに劣る)
つくづく「浅慮」という言葉がぴったりだと思う。
写真自体に何か仕掛けやおもしろみがあるわけではない。書体に、色彩に、文体に何一つ心を動かされない。素人以下。少しばかり「下町的な人情味」がある。それだけのこと。
この文章を書いたものの頭の中(その「想像力の乏しさ」と言い換えてもいい)が容易に想像できる。
私にとって仲間とは、恋愛とは、人生とは、いや、どんな人の人生であってもそんなありがちな歯の浮くような文章で包括できるものではない。ましてや、人と人との関わりの中に存在する「情」というものの重みは普段詞や文字で表現しないからこそ、重みと厚みをもって私たちの心に存在しているのである。
詩やレトリックにとって、それらをことさらに主張し、晒すことほど無粋なものはないだろう。
そこには未成熟な自己愛者だけのユートピアが広がっているだけだ。
これが私的感情からくるただの皮肉か、批判か、どうかこの本を手に取ってもらいたいと思う。
果たしてこの出版物は、世に出、人の手に渡る以前に対価が生ずるに足るものなのかどうか。