「対岸の彼女」「八日目の蝉」など才気あふれ、活躍のフィールドを着実に広げている直木賞作家角田光代さんの食材、料理への想いが心地よく沁みてきます。肉好きとおっしゃる角田さんが語る春夏秋冬、旬の食材、野菜、魚への思い、食遍歴を肩肘張らず、のんびりした気分で読み終えました。
共感したり、驚きの発見があったり、「父と白菜」の項ではお母さんの一言に涙したり、個人的には「神聖餅」の冒頭の一言に激しくうなづいたり。ウェブの活用に定評のある出版社アスペクトで月2回のペースをきっちり維持して67回もウェブ連載されてきたおいしいものの記憶と食卓の思い出、私も読みながら、いろいろな思い出に浸りました。
食卓を囲んだり、料理をしたり、そんな自分の記憶と行き来しながら楽しめる一冊です。とかなんとか言いながらまたおなかが空いてきました。きっと角田さんって料理上手なんでしょうね。そうでなきゃ、こんな素敵な食の語らいなんて出来ないはず。どうもごちそうさまでした。